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言えない本音。
59番目のプロポーズ キャリアとオタクの恋
59番目のプロポーズ キャリアとオタクの恋
アルテイシア

「なんであんたも一緒に食べたものを私が洗ってるわけ?
 なんであんたはさっさと暖かい部屋でジャージでくつろいでるわけ?
 なんで私はスーツのまま寒いキッチンで洗い物をしてるわけ?
 私、疲れてるって、一食しか食べてないって言ったじゃない! 」
(アルテイシアの思考)

 
本書はソーシャル・ネットワーク・サーヴィス「mixi」で
キャリア系の女性「アルテイシア」が、彼女にいいよってきた
男性オタク「59番」との関係を日記として綴った文章の書籍化。
「59番」という名称は、彼女にいいよってきた男性が、それまで58人いたことによる。

「電車男」や「痴漢男」に続く、この系統の作品とも言えるけれど、
語り手(?)が女性だと言うことと、基本的にアルテイシア氏による
一方的な文章であることが、違うと言えば違うかもしれない。

で、ヒトに薦めるほどの作品というわけでもなかったんだが、
共感する部分もあって、なかなか興味深い作品ではあって。
自分とは違うなあ、と、思うのは、氏がキャリアの道を進んでること、
女性という自分の性を受け容れて、私とは違う方向でもって前向きに生きてること、
そこらへんに起因するのだと思う。


さてさて。
紆余曲折を経て(我ながら陳腐な表現だ……)「付き合う」というところまで至った2人。
仕事で疲れていたアルテイシアは、それでも59番と節分を楽しむべく、
何とか豆と巻き寿司を買って、2人でアルテイシア宅に帰宅。
溜まっていた洗い物を、彼女は59番に「先に食べてて」と言いながら、
プライドでもって片付け始める。

けれど、さっさとジャージに着替えてる59番を横目に、
洗い物をしながら彼女のイライラは高まっていき、思考は冒頭の内容に達する。
更にイライラしながら部屋を振り返ると、59番は巻き寿司をかじっていて。
怒り心頭(?)のアルテイシアが続けて思ったことには。

「・・・その巻き寿司、私のお金で買ったものなんですけど!
 ・・・あんた、私と付き合えたからって、調子乗ってるんじゃないの?!」


汚い本音を言いたくはない。
けれど素直・不器用・女性の扱いに慣れていない、という59番には
「察する」なんて芸当はできない。
それはわかっているけど、やっぱり察して欲しい。
59番に対するもどかしさと自分に対する自己嫌悪。
不毛の堂々巡り。

「モテる私が、あんたと付き合ってやってるのよ?
 もう少しサービスしても、バチは当たらないんじゃないの?」


そう思わないではいられない。それが本音。
そんなことを言う自分は嫌だ。
でも、言わないと、この相手にはわかってもらえない。


「察する」なんていう行為が、幻想的な期待でしかなく、
伝えたいことがあるなら言葉にすべきだ、という私の思想は20041016コトノハ。に書いた。
だから、アルテイシアが望むことには反発してしまうけれど、
アルテイシアが「それは無理なことだ」と認識してて、
それで葛藤するのは、すごくよくわかる。

「知って欲しい」という希望と「言いたくない」という自己に対する縛りの間で、
ヒトは両者を天秤にかけ、自分が一番望むモノを見つけだす。
どちらをとるかの指標は「得たいモノ」に拠るのだろう。


結局、彼女は彼に本音を告げて、それでも自分の気持ちを持て余して、
彼を振り回した挙げ句、振り回された彼の哀れな姿を見て、気持ちの落ち着きを取り戻す。
彼に「これからは、全部言う」と告げ、「深刻になっていいことなんか、ない」と思う。

「察してもらう」という希望は叶えられることはなかったけれど、
彼女は彼とうまくやっていくスタンスを1つ、ここで手に入れた。


余談だが、この日記はその後も続いているようで。
本も「2nd season」まで出ているモヨウ。
既に漫画化まではされていて、ドラマ化の話もあるという。
| ヒトノコトノハ。 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
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