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セクシュアル・ハラスメントの主導権。
スカーレット・ウィザード〈2〉
スカーレット・ウィザード〈2〉

「あのな、海賊。言わせてもらうが、毎朝毎朝半自動的に作動するような代物に
 『でりけーと』などという表現を用いられても、我々女性としては非常に理解に苦しむんだ」
(ジャスミンの台詞)

 
再び同じ作品からで恐縮だが、興味深いのでご容赦を。
本作の主人公は2人だ。
キング・オブ・パイレーツの異名を持つケリー。
クーア財閥の総帥で、本作品の中でもとびきりエキセントリックなジャスミン。
彼らは契約によって1年間限定で夫婦となるのだが、
時々「女性によるセクハラ」を考えさせられるデキゴトが起こる。

ジャスミンは常に正論を吐くのだが、そもそも論点がずれていて、
ケリーがしたい「常識」の話にちっともならない。
例えばこんな具合だ。

ジャスミンは排卵日を計算して、仮初めの夫となったケリーを押し倒す。
ジャスミンの思惑など知らないケリーは抵抗する。
「待てよ。これじゃ立派な性的いやがらせだぞ!」
「夫婦間でそんなものは成立しない」
「強姦なら成立する!」
「どうしてだ。わたしは嫌がっていないぞ。強姦も成立しないだろう?」


男の側が嫌がっていれば、状況はどうあれ、キモチ的には「強姦」が成立するだろう。
ケリーは、男は結構デリケートにできていて、そう都合のいい生き物ではないことを主張する。
対するジャスミンの返答が、冒頭の台詞だ。
さすがに女の私が聞いても、言い過ぎだろ、と、思うわけだが(苦笑)。

そして、いわば騙し討ち的に妊娠したことを、ジャスミンは少しも悪く思っていない。
「あんたの子どもは俺の子でもあるんだ」
「産むか産まないかは俺と相談して決めることだろうが!」

と憤怒するケリーに向かって、ジャスミンは、あくまで強固に主張する。
「妊娠したのはわたしだ。従って、産むか産まないかを決めるのもわたしだ。
 おまえの意志など関係ない」
「もっとわかりやすく言ってやろうか。種馬は種をつければ用済みなんだ。
 おとなしくひっこんでいろ。わたしのすることにいちいち口を出すんじゃない」

実はジャスミンがこうまで強引にするのには理由があるのだが、
ネタバレになるので、ここでは触れないでおく。

男女間の性行為について、いつの頃に成立したのか謎だが、
基本的に、行為の主導権は男が握る、というのが一般的な感覚なのだろうと思う。
ぶっちゃけて言えば、挿入されなければ行為は成立しないし、
女性がどうあがいたところで、男性の意志がなければどうしようもない。
無理矢理起たせて挿入、というのもできなくはないだろうが、それは特殊な例だろう。

ところが、考えてみれば、妊娠・出産に関しては、どう考えても女が最終的な鍵を握る。
排卵日さえ計算すれば、私達女は男の意志など構うことなく子供をつくることができる
(もちろん、挿入されなければならないので、完全に女の意志だけでは無理だが)。
当然、逆に、子供(この場合は胎児)の生殺与奪権を握るのも女だ。

以前、「ハルイさんの子供なら欲しい」と言われて
「認知しなくていいなら」などと嘯いたことがある。
母親が認知しない、ということが可能かどうかは知らないが、
要するに「私は自分の子供など欲しくない」と言いたかったのだ。
本当のところは、認知しなくてよくても、子供などつくりたくない。
確かに存在するその人間が、自分の子供だ、という事実は消えないのだから。

おそらく、ケリーが感じたのも、こういうことなのだと思う。
少しずれているかもしれないが、実際にどういう状況だろうと、
子供の親は1人ではなく、「自分の子供」という、それは無視できない事実だ。
相手に勝手にされるのは許せないと、彼は思ったのだろう。

妊娠するのが女である以上、したくなければ回避するのは女の責務だ。
男性にも誠実さを求めたいところだが、「独り暮らしの部屋に男性をあげたら合意」
という理屈と同じく、浅はかに失敗しないだけの知恵は必要だと思う。
と、同時に、男だって、安易に女を信用するのは配慮が足りない。
突然「あなたの子供よ」と言って子供を連れてくる女にビビるくらいなら、
始めからセックスなどしなければいい。

結局、妊娠・出産、ということに、男も女も完全な逃げ道はない。
記録に残さなかったり、忘れたりすることはできるが、
少なくとも私にとっては、人間1人の存在は非常に大きく、重い。
| ヒトノコトノハ。 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
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