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知りたい病。
スカーレット・ウィザード〈1〉
スカーレット・ウィザード〈1〉
茅田 砂胡

「世の中には『知る』ためなら何をしても許されると思いこんでいる連中がいるからな」
(ケリーの台詞)

 
ダイアナ・イレヴンスは、主人公の1人であるケリーの宇宙船の感応頭脳だ。
感応頭脳とは、わかりやすく言えば人工知能だが、
ダイアナはその製造過程に特殊な背景を持ち、いわば「突然変異」的に
思考する能力、個性的な人格、感情と呼べそうなモノを持っている。
そしてそれは、科学者達には捨て置けない研究対象だ。
彼らの知的探求欲をケリーは『知りたい病』と呼ぶ。

他にも、この『知りたい病』に取り憑かれた人々が、本作には多く出てくる。
「深く関わる意志はないから放っておいてくれ」という人類以外の知的生命に
不必要に怯え、なんとかアクセスしようと試みる役人達。
ケリーの過去を調べようとし、それがプライヴァシーの侵害などより
重要な必要性があると信じ込む人達。

特に学問においては「(知的)財産は共有されるべき」という
盲信に取り憑かれた人種というのは多いかもしれない。
けれど、もっとずっと身近にも、こういう問題は数多く存在すると思う。

誰にでも心に秘めたことはあるだろう。
敢えて外に出したくないものは。
全てを明かす、明かし合うことが「信頼」なのではないと思う。
ヒトとヒトの関係において、大事で、かつ難しいのは、その距離なのではないか。
それを測ることは、ひいては、相手を尊重するということでもある。

柳沢教授の言う「愛すべき嘘」という種類の嘘があるように、
真実が、正しいことが、よいことだとは限らない。
「うまくやっていく」には、様々な要素、因子が絡んでくるのだ。
だからこそ、ヒトとヒトの関係は、難しく、その一方で、断ち難い。


余談だが、ダイアナを考えると、アン・マキャフリの「歌う船」シリーズを連想する。
こちらは、金属の殻に封じ込められ、神経シナプスを宇宙船の維持と管理に従事する
各種の機械装置につながれた「頭脳(ブレイン)」をメインとした物語だが、
この「頭脳」はダイアナと違って四肢を失った
(先天的な場合と後天的な場合とがある)「人間」だ。
これはまた別の問題を内包していて興味深い。SFとしても傑作。


追記:
20041022話したい病。と対で語ろうと思っていたのだが、
本作を読み返してから、と思ったら、こんなに間があいてしまった(苦笑)。
| ヒトノコトノハ。 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(1) |
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